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肌寒さも和らぎ、徐々に春の息吹を感じられる陽気が増えてきましたね。新学期から、新しくアルバイトやインターンを始めようと考えている人や、学年が上がり、バイトリーダーになるという人もいるかと思います。バイトを始めるに当たってクリアしなければならない面接や、バイトリーダーとしてバイトに施さなければならない教育など、バイトに関連して様々な悩みが出てきますよね。面接対策などは、インターネット上に情報が溢れかえっていて、もはや何を信じていいかわからない状態になっているのが現状かと思います。

そこで、今回はアルバイトの採用・育成に特化した初の入門書である「アルバイト・パート採用・育成入門」という本を紹介したいと思います。一見すると上記の悩みとは関係なさそうですが、雇う側がどのようなことを考えている・考えなければならないのか知ることで、雇われる側であるみなさんが、自身の悩みに対してどのような対策をしなければならないのか、自ずと見えて来る一冊となっています。

本書は全6章で構成されており、職場づくりの現状分析から始まり、「採用、新人、中堅、ベテラン、シニア」とステージ別の店長の悩みの解消法を順番に紹介していくというものになっています。

1つ例を挙げると、中堅ステージのトピックの一つに「時給アップは「引き留め」になるか?」というものがあります。バイトをする際にほとんどの人が気になる要素だと思いますが、驚くべきことに時給アップは引き留めにならず、それよりも仕事量と時給が見合っていることが大切なのだそうです。これからバイトを始める人は、単純に時給の如何に踊らされることなく、本当にその仕事に見合った時給なのか考えてみてはいかがでしょうか。

本書の最大の特徴ともいえるのが、経験則や精神論に全く頼っていないという点です。著者の中原准教授は、東京大学において、企業で働く人の学びや成長を主題とする人材開発研究を行う研究者です。そして、その人材育成の理論的な視点から、大手7社・2.5万人に対して行った社会科学的な調査によるデータを分析することにより、成功者の経験則や精神論とは異なる、一般的な原理・原則を導き、記されています。一般的でありつつ、それぞれのトピックがどの業界どの業種でも印象深い具体的なシーン設定になっているので、とても想像がつきやすく実践しやすいものになっています。

みなさんも本書を読み、自身の雇い主の考え方を学ぶことで、アルバイトとしてのあり方を再び考えてみませんか?

アルバイト・パート 採用・育成 入門-「人手不足」を解消し、最高の職場をつくる(ダイヤモンド社)2016/10/28
中原淳(大学総合教育研究センター准教授)、パーソルグループ 著