東京大学公式の情報サイト「東大ナビ(UTokyo navi)」は、本学の部局や研究所が開催する多彩なイベントの情報を集約し発信しています。


東大ナビでは、様々なイベント情報を配信しています。参加レポートでは、そうしたイベントに実際に参加し、その概要や感想をお伝えします。

大学生になると、個人に対する評価基準が均質なものから多様なものに変わっていき、「自分の個性とは何か」「自分はひどく没個性的ではないか」などと悩みもがく人が増えてくるように思います。しかし、世の中には自分が個性的であるが故に悩んでいる人もたくさんいます。
その中で今回はLGBT *をテーマにしたシンポジウムに参加しました。今回と次回の特集記事の2回にわたって、シンポジウムの内容をお伝えします。

今回参加したイベントは、1月9日駒場Ⅰキャンパス21KOMCEE WEST レクチャーホールで行われたシンポジウム「アメリカLGBT活動の現在 IVLP東京報告会」です。

IVLP (International Visitor Leadership Program)とは、アメリカ国務省主催の1940年から続く人物交流プログラムであり、様々なジャンルの専門家が世界各地より毎年4000人以上参加しているそうです。
今回のシンポジウムでは、実際にIVLPに参加された5名のLGBT人権活動家に加え、LGBTの問題解決に取り組んでいる東大の学生と講師の方が登壇しました。参加者は100名以上で、講演には手話による同時通訳もありました。

多く取り上げられた話題として、アメリカと日本の取り組みの違いがありました。そもそも日本でLGBTという言葉をよく見聞きするようになってからそれほど時間が経っていないと思いますが、アメリカ、特にロサンゼルスやマイアミは日本より体感的に20年程度も、問題に対する意識や取り組みが進んでいるそうです。

例えば、LAにあるゲイ&レズビアンセンターは、HIV感染者やホームレスなどの貧困層への支援サービスを無料で提供しているLGBTセンターで、運営スタッフは500人以上、利用者も年間4万人を超え、運営資金は年間8900万ドル(日本円にして100億円以上)にも上り、そのうち政府からの助成金1600万ドル以外は全て個人や企業からの寄付でまかなわれているそうです。対する日本では、渋谷区などで取り組みが始まったばかりであり、まだまだLGBTの方々が暮らしやすい国とは言えないかもしれません。

法律やトイレの問題などハード面での解決策がなくとも、家族や企業がアライ **として、LGBTであることを打ち明けやすい環境を作るといったようなソフト面での解決を率先して進めていくべきであり、法律がなくてもできることはあると関係者の方々はおっしゃっていました。

現代社会は多様になっていると思っていましたが、このイベントに参加して、個性的であるがために生きづらさを覚える人がいるということを知り、本当の意味での多様性社会が実現されればいいと強く思いました。

次回は、同シンポジウムに登壇した東大生の発表内容とご本人へのインタビュー内容をお送りいたします。

*LGBT:レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの頭文字
**アライ:LGBT当事者により添い、社会運動を支援したり、ホモフォビア(同性愛へ否定的な価値観を持つこと)に対して異議を唱えたりする異性愛者

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写真:スピーカーで座長も務められたNPO法人 虹色ダイバーシティ代表の村木真紀氏

 

本イベントの詳細は以下をご覧ください。
http://komex-fye.c.u-tokyo.ac.jp/blog/archives/690
http://www.todainavi.jp/archive/events/20151221_1/